世界の王様 

-36-
復讐と恩返し

「大臣を殺して来ル!」
ハギは剣を握り、窓から飛び降りようとした。
「やめろ!おまえはそこがまだガキなんだ!これでおまえまでも失ったらリィは泣くぞ!」
「けれど、どっちにしろリィさんは十分苦しむ!それに最後にやつがあったのは大臣のはずだ!ヤツにちがいない!」
「そうじゃなかったらどうするんだ!王のガードマンが大臣を疑うなんて大問題だぞ?!」
「どっちにしろ、やつはもうそれをやっている。だから大丈夫ダ。」

ハギはハルの強い力を振り切り、夜の窓から飛び出していった。

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「さぁて、今頃手紙が届くところだろう」
「大臣、いやもうそんな大層な名前でいえないな、ミスターローズ」
「生意気な口をきくね、ミスターマクベルス。死に際の楽しみかい?」
薄暗い部屋にまた銃声が響く。ハリーの耳をかすった。
「とりあえず君に色々と知られたしね。それに侮辱された。ゆっくり殺してあげるよ」
大臣は隣にいた男の銃を取り、ハリーの腕と足を打ち付けた。
それからやつらは男一人を残し部屋を出た。

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数時間がたったとに、ハリーに激しい立ちくらみが起こった。血液の不足による貧血である。自慢の頭脳も回らず、もう死を待つばかりだった。

その時だった。

突然窓ガラスが割れ、人影が現れた。その人影はすぐにハリーのを見張っているガードをはえのように倒した。ハギだった。

彼女は無言でハリーにかかっている縄や手錠を解き、止血をした。
「いきマすよ」
彼女はぐいっと手をひっぱって窓からかかっているロープから脱出を試みようとした。
しかし彼女は甘かった。

「ま、まて!」
ガードはまだ息があり、隙をついて彼女を殺そうとした。
しかし殺されたのは彼女じゃなかった。
ハリーだった。

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ハリーの腹と胸はひどく打ち抜かれ、もう回復できるような状態ではなかった。ガードはすぐさまハギに殺された。
しかしハリーの死はけして止められる物じゃなかった。

「死ぬな!ハリー、死ぬな!」
ハギは必死にハリーを助けようと考えるが、やはり人間というのはしぶといが死ぬときはもろく、そのもろいものを再び固くするのは無理である。

「いいんですよ、ハギさん。僕は恩返しができたんです。あなたは前、僕を救ってくれました。だからいいんですよ」
「よくない、私はおまえを傷つけるだけでなにもあげていない」
「いや、あなたは知らないところでなにかあげているんですよ。だから泣かないでください」
「私はいつも誰かから大切な人を奪っているんだ!おまえをリィさんから奪ってしまった」
ハリーは少し笑って、目がくらみながらシャツの中から小さな紙をだした。

「リィさんに。しんじつを・・・・」

ハリーは手紙をハギの手の中におさめ、しずかにしずかに眠りについた。

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