世界の王様 

-33-
Thujopsis field forever

ずっと緑。緑緑。
そんな緑に囲まれた大きなアパート。
そこが私たちのお家。

もう100年もあるんだって。
戦争が終わってからずっとあるんだって。
アスナロ孤児院は永遠よ。
だってみんな笑ってるもん。

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「リィちゃん、まってー!」
「もう、ミリア!早く歩きなさいよ!あたしなんかノアをおんぶってるのに、あんたより早く歩いてるのよ!」

お家へ行く道は砂利道にアスナロの緑が永遠に続く小道。
気がついたら家へ着くけれど、いつも思うのは永遠にお家へたどり着けないんじゃないかなってこと。

「ごめんね、リィ…。僕が足怪我して歩けないばかりに。」
「いいのよ、ノアも悪いけど、あいつらが悪いのよ!
ノアはちゃんと正義を貫いたのに、あいつらはめんどくさいっていうだけで…。めんどくさいならなんでノアを殴る力はあるってかーの!!」
「リィ、うるさい…。」
「あら、ごめん。」

クスクスっと私たちは笑った。
ああ、私たちの日常は平和だ。

今日死んでいく人々の思いはそのとき私は知らなかった。
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アスナロ孤児院は森の奥にあるため、夜になると真っ暗になる。
外は月明かりのみ見えて、あとは私たちのお家からでる光だった。
まるで、孤児院は森の太陽のような存在だった。

その日、私はリィちゃんと一緒にお人形遊びをしていた。

「どうですか、最近の庭園は?ミセス・レベッカ。」
「バラが最近咲きまして、華やかになりました。今度私のお家でお茶会でもしませんか?ミセス・ハルクット?」
「そうですね、そうしましょう。」
「バラのジャムを作っておまちしてます。」

「さーて、次は絵本でも読みましょ!あなたの好きな猫と王様の話。」
「うん、読もう読もう。」

そういって私たちが立ち上がった瞬間だった。

ガッシャーンと大きなガラスが割れた音がした。
「なに?」
「なんだろう?」

次の瞬間、一階にいた先生たちの大きな悲鳴が聞こえて来た。

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